(2)休日に教育研修を実施する場合。業務密着の研修か,社内一般教養の社内研修かにより,休日研修,時間外研修の手当の扱いは,異なってきます。教育研修の受講命令は,就業規則に基づく労務指揮権の行使,指揮命令に該当します。教育の受講を上司より指示された部下は,正当な理由なく受講を拒否出来ないことは,労働協約や就業規則に通常謳われる条項。教育受講に関与する方法や,教育研修そのものの中での,指導育成は自主的に自ら身銭を支払い受講する研修や講習会と大いに異なります。業務密着の教育研修の最たるものに,OJTがあります。作業現場に指導者と受講者が,作業をしながら熟練度を習得する研修となります。単能工を多能工化する場面では,当該教育指導の方法についてはいくつか出てきます。職場に余剰人員と言わなくとも,比較的余裕がある場合。欠員補充,欠補,年休による欠員となる場合に交替要員を用意出来る職場。こうした職場では,必ずしもOJTではなく,単能工をローテーションにより,各職場を経験させ,目的の多能工を育成する形も多く採られます。
(3)またOFF-JTにより,作業現場から単能工を一時的にはずすラインアウトにより,教育研修所等の日常の職場と異なる場所で,熟練度の養成。一方,昔と異なりこうした交替要員,職場欠員補充に余裕がある現代企業は少なくなっていると言えます。当該事情は,必然的に,OJT職場教育訓練方式により,実務を通して単能工を多能工に転換する作業となります。そのOJTも職種や業務により2年〜3年かかる業務が製造業にもあります。建設業,造船業,鉄鋼業等では10年単位が一人前として熟練養成にかかる期間があるものもあります。製造業では2年〜3年の熟練養成期間は比較的長いものと言えます。これらの熟練度養成が,OFF-JTであり,OJTではないとき。社内,社外の各講師等各種バージョン場面があります。OJTは職場の先輩,職制,熟練工である多能工が,単能工教育に四六時中,職場で指導教育をすることになります。これらは,一般に同一企業内で対応する場面が,OJTとなります。これを異なる企業同士が,OJTと称し,教育という名の指揮命令により,作業を指図指示していたケース。
(4)請負労働の単能工から多能工への転換OJTによる偽装請負現場。元々同一企業で成り立つOJT教育方式を,企業間で作業現場に四六時中張り付き,発注会社職制,多能工が実施した場面が偽装請負として摘発された一つのケース。企業間のOFF-JT教育は,社外講師場面もあり,講師料支払い,有償対応で実施が一般的です。作業現場OJTとは異なりますので,教育という名の指揮命令の懸念は薄れ,OFF-JTの場合は,発注会社が請負会社作業者の講師となり,作業手順や熟練度養成を,作業現場に入る前に教育することは一般にあります。こうした教育現場は,請負の適正化場面でも問題にならない正当なケースとなります。ところが,構内請負会社作業者が発注会社構内で,発注会社からOJTという教育の名による場面となるとき。教育に名を借りた指揮命令が強く疑われてきます。労働当局は,こうしたOJTを受ける場面が必要であるときには,製造派遣の契約を締結し,熟練度を取得した後,請負契約に転換することを,行政指導しています。2年から3年という熟練度養成期間がOJTで必要なとき。
(5)派遣期間の抵触日と一致してきます。多能工になった途端,派遣期間終了に通じる不都合。請負労働の実態を派遣就業に偽装しつつ,職場OJT教育を隠れ蓑に,指揮命令。多能工化熟練養成工程の請負労働の偽装問題。同一企業で成り立つ,OJTを企業間教育の場で実施。教育と指揮命令の区別が出来ない形を,教育という名で指揮命令を隠れ蓑に偽装。単能工の多能工化への道筋を採ろうとした偽装請負現場。企業間OJT対応は,偽装請負の摘発覚悟をすることになります。単能工のうち誰を多能工化か。また誰を請負工程配置におくかは,当該請負会社が決めることであり,人事考課同様,選抜も評価問題となります。発注会社,元方工場は構内請負会社に関与出来ない問題。異動配置,ローテーションは労務指揮権の問題。使用従属関係にある労働者に使用者のみ行使できます。企業間に労働契約なく,従って使用従属関係にもないことから,企業を超えた異動配置命令や,ローテーション指示,命令は成り立たない世界となります。これは偽装問題の最たる作業環境と見なされることになります。
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